つのの細道(ニューヨーク)

  
 1992年は、育児に追われる日々でした。
 このままでは、育児ノイローゼになってしまうので、
 子供を放ったらかして、独身の時の貯金を全部はたいて、旅立つことにしました。
 子育てを忘れられる街、といえば??やっぱNYですよね。


  


 NYは、最高に楽しい街です。何日でも楽しめます。
 世界中の旨いもんあり。ショッピングあり。舞台あり。美術館あり。公園あり。
 映画のシーンの街角あり。自由の女神あり。
 明日どこへ行こうか?何を食べようか?どこで飲もうか?
 と考えても、多すぎて選びきれません。

 今現在47才の私ですが、世界中で一番好きな街は、NYです。
 NYが大好き。エブリデイNYに行きたい。できれば一度NYに住みたい。
 で、2番はパリなんだよね。ああ〜〜。つくづく私って、ミーハーな奴なんです。

 どうしてパリがNYに勝てないか?と言うと、
 パリには、気位が高くて、けちんぼなフランス人しかいないからです。
 NYは、まっこと、人種のるつぼです。
 レストランに、黒人も白人も黄色人種もいるんですよ。それって、すごい絵です。
 もう、そういう人達を観察しているだけで、お腹いっぱいになります。
 日本人も一緒に、べっらべらの英語でしゃべっています。

 街を歩く人も、当時のNYスタイルは、スーツにスニーカーでしたが、
 これが早足で、仕事できそうで、かっちょいいんです。
 公園をランニングする人も、犬を散歩させている人も、かっちょいいんです。

 危ない人も、たくさんごろごろしています。
 当時は、地下鉄なんかも落書きだらけで、ひどいありさまでした。
 昼間の公園でも、すれ違う時に目が合うと、からんできます。めっちゃ恐怖です。
 日本人の旅行者は、バスでも地下鉄でも見られています。
 バッグをたすき掛けにして、ひしっ、と掴んでいないと、
 スキ有り、と目をつけられてしまいます。でもその緊張感が、刺激的です。

 NY滞在中に日帰りで、カナダにナイアガラの滝を見に行きました。
 マリリンモンローの映画の舞台そのままでしたが、本物は圧巻でした。
 朝早くから行くのは面倒だったけど、見ておいて良かったです。
 
 この旅行で、いろんなものがふっきれました。
 今思い返しても、主婦としての人生の転機になった気がします。
 帰ってから、社会復帰への情熱を持ちました。英語の勉強も始めました。
 また、NYもいいけど、東京も捨てたもんじゃない、
 という気持ちがわき、地に足をつけて暮しはじめました。
 
 日々の暮らしに疲れたら、南の島でのんびりするのもいいけど、
 大都会で、自分の小ささや、悩みの小ささを確認するのも荒療治になりますよ。
 自分が見えなくなったら、一度行ってみてください。

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